文・堺雅人2 すこやかな日々
始まったね、『真田丸』。
Twitterでは「真田丸どうでしょう」なんて
ハッシュタグがあるほどいろんなネタ要素があって、
盛り上がってるらしいじゃないですか。
主演を務める堺くんとはどんな人だろう、と思って借りた本書。
結論から言うと「まさに人柄が文章ににじみ出ている」という印象だ。
ポイントとしてあげられるのは以下の2点。
まずは、ひらがなを多用していること。
はじめは少し読みにくかったり稚拙に見えたりするかもしれないけど、
慣れてくると彼の言葉に対するポリシーを感じられる。
好きな女性のタイプについて、「言葉→声→顔の順に惹かれる傾向がある」と度々バラエティー番組等で発言している。
とあるように、ひらがな表記にはそうした言葉に対するこだわりなんだろうね。
日本語特有の奥深さや、多用なニュアンスを伝えるための工夫と言えるでしょう。
そして二つ目は、観察力や構想力のおもしろさ。
・西洋志向や近代化はタバコ文明の普及と関わりがある。
・「阿波(徳島・宮﨑)」「安房(千葉)」と点在する3つの”あわ”の共通点。
・三位一体が持つ本当の意味。
などなど、どれも自分で考えたことはないテーマだったし
知識をひけらかそうという意図がないから純粋に興味を持てて楽しめました。
やっぱり、考えることって大事。
そして、それを自分の言葉で発信していくのも大切。
植物のように、根や茎というインプットがあるからこそ
花や実といったアウトプットに価値が出てくるのだ。
さいごに、特に印象的だったのはこのあたり。
いま「大好物はなんですか」ときかれて、即答できるオトナは一体どのくらいいるだろう 中略 そのひとのひととなりが想像できるうえ、無条件になにかを愛する「純粋さ」まで表現できるーー大好物には、そんな効果があるのではないだろうか。
賛美歌やコーランなど、ほとんどの宗教には声楽がワンセットになっている。「自分の声が周囲と溶け合い、よりおおきな音響の一部になる」というのは、宗教体験として大切なものなのだろう。
考えるってことは、突き詰めると娯楽になるんだと改めて学べた。
そんなこんなで『真田丸』もかげながら応援します!