はなみずにっき

はなみずぐらいのブログ    コピーライター/脚本家

【読書感想文】小学生の俳句歳時記 ハイク・ワンダーランド

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41uaJM850KL._SX327_BO1,204,203,200_.jpg


小学生の俳句歳時記
ハイク・ワンダーランド
金子 兜太監修 あらきみほ編著


最高すぎる……!
ありきたりな表現だけど、感性というか着眼点というか感受性というか
子ども目線のピュアっピュアな俳句がいっぱいあるの。

なんでかね、泣けてくる。
美しさに圧倒される感じ、光景に飲み込まれる感じ、
切なさへの共感、悔しさ、それからやっぱり
子どもていう完全性を持つ生命体への尊敬とか畏敬とか憧れとか希望とか絶望とか。
なんかもういろんな感情がごっちゃになってもう
泣くしかないっていうようなね。

気に入った句をざっと並べてみます。
(いいのかな?いいよね!?だってすごい良いんだもの!!)

やぎさんが秋のゆう日を食べている

 

いじめなどしらないとんびたかくとぶ

 

天国はもう秋ですかお父さん

 

台風が海をねじってやって来た

 

あじさいの庭まで泣きにいきました

 

赤とんぼおくれた一ぴきぼくみたい

 

ごみばこもごろんとねているなつやすみ

 

ゴムとびで開くスカート見ないふり

 

番号のないユニホームにも夏陽射す

 

わたしはほ欠すわってあせをかいている



衝撃の強さがハンパないよね。
先生になりたくなるよ。
こういう子どもと人生楽しみたい。

あと思ったのは、全体的に切ないのが好き。
いじめとか、泣いちゃうのとか、一ぴき遅れちゃうとかほ欠とか。
そういう弱者にしか見えない世界の美しさってあるんだよね。

でもそれを悲しいとかイヤだとか
かまってちゃんみたいにぎゃあぎゃあ言わずに、
慎ましく表現すること。

最高に美しいよ。

大人は変に遠慮したり、皮肉ってみたりしちゃうけど
子どもの素直なところがまた良いんだ。

ここまで繊細で美しく、瑞々しい感性は
意図的に描き出せるものじゃないよね。
素晴らしい本です。



あと全然、関係ないけど
監修者の「金子兜太」ていう人。
字面から、勝手に「春風亭 昇太」みたいな
愛嬌のある中年おじさんを想像したんだけど
がっつり大御所だった。

http://www.nikkei.com/content/pic/20150815/96958A9F889DEAEBE5EAEAE0E2E2E0E5E2E5E0E2E3E7E2E2E2E2E2E2-DSXMZO9049450013082015000001-PN1-13.jpg