はなみずにっき

はなみずぐらいのブログ    コピーライター/脚本家

【映画感想文】地獄でなぜ悪い

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きみの地獄は、この日かもしれない。

 

おもしろかった!
ぶっちゃけ最初は
「鬼才って言われたいんだろうなー」
みたいな安っぽさがプンプンしてて、いろいろイタいから見づらかったんだけど
長谷川くんがとっても良かった!



シナリオとかは別に語ることないので、
細かい演出で気付いたことをいくつか並べてみます。

・和服と洋服
衣装を分けたことで対立関係が視覚的にわかりやすい。
抗争シーンはとにかく人がごちゃごちゃになるので、
(モブキャラがいちいちどっちの組の人間かは不要な情報としても)
和服の堤真一サイドと洋の國村隼サイドがハッキリ区別できる。

 

・過去に出会ってるのがポイント
ファックボンバーズとヤクザが旧知の仲であること。
これがないと「抗争を映画にする」なんてくだらん提案を受け入れられるはずがない。
任侠モノは義の心が強いらしいし。前半はこのくだりさえ理解できればOK。


・抗争のシーンの銃
本作のクライマックスである抗争。たしかにインパクト強いし盛り上がるんだけど
ちょっと長い。ダラっとしてきたなあ、って感じちゃうのも事実。
でもちょうど良いタイミングで、銃声を入れてきたのはナイスアイデア
あそこから展開が一気に加速するし、
エンディングに向けて締めてくのが感覚的にわかる。

 

以下はもったいないなー、という点。

・「ファックボンバーズ」の由来
中学生っぽさやバカらしさ全開の名前だけど、
ちょっとこのカットを見てほしい。

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FUCK BOMBERS!
THE FANTASTIC CINEMA CLUBとある。

「ファックボンバーズ」は「ファンタスティックシネマクラブ」の
略なんだとわかりますねえ。 

これは少年期の長谷川くんが

「映画は素晴らしい!ファンタスティックだ!」
「俺はそんな、ファンタスティックなシネマをつくりたい!!」
「俺たちのチーム名は、ファンタスティックシネマクラブだ!!!」

とかメンバーに言いながらカッコつけて英語で書いたら

「THE FUNTASTIC CINEMA KLUB」


みたいにスペルミスしてて、それに気付いたカメラマン二人が
「おい……これじゃ、FUCKになっちゃうぞ」
とか言うの。

そしたら長谷川くんは
「しまった、これじゃクソみたいな英語をつくるチームになってしまう」
「俺はファンタスティックで観た人が爆発的に感動するような映画がつくりたいんだ!」
とか言ったらですよ、佐々木(ブルース・リーみたいなやつ)が
「そしたらボンバーズとか付けたらいいんじゃねえの」
てぶっきらぼうに言うわけ。

そんで長谷川くんは目を輝かせて
「それだ!ファックボンバーズだ!!俺たちは、ファックボンバーズだ!!」

みたいな1シーンがあれば、彼らのピュアさやチーム感を
もっともっと表現できたろうに。

 

・出演者わからなすぎ
麿赤兒とか岩井志麻子とか水道橋博士とか
意外な人もいっぱい出てたらしい。
でも全然気付かなかった。
気付かせない遊び心か友情出演なのかわからないけど、
もったいな〜。


・ふみちゃんのおっぱい
けしからん。これだけでR18指定。

12歳未満(小学生以下)の鑑賞には不適切な表現が含まれるものには、成人保護者の同伴が適当。性・暴力・残酷・麻薬描写・ホラー映画・小学生が真似をする可能性のある映画。 


さいごに改めて念押しで言うけど、
とにかく俳優たちのキレッキレの演技が良かった。

特に長谷川くん。
堤真一星野源もチャーミング。



シナリオとかストーリーとかあんまりどうでもよくなるくらい、
俳優ってかっけーのですな!