はなみずにっき

はなみずぐらいのブログ    コピーライター/脚本家

【映画感想文】シン・ゴジラ

 

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観たよ『シン・ゴジラ』!

100点満点で120点とかそういう陳腐な表現になっちゃうけど、
マジで期待以上でした。


以下、思ったことです。
考察とかネタばれとか、そういうコムズカシイことじゃないのでご安心を。
ただクソ長いのでご勘弁。。。


・プロが集まる。映画も同じ。

そりゃ未確認巨大不明生物が国家を脅かしてるんだから当然だけど、
プロ中のプロが一堂に会するんだよね。
各省庁のトップが集まったり、専門分野で戦ってる人たちが議論したり、
なんというかもうすべてが圧倒的。

オールマイティで中途半端な人なんて何の役にも立たないのがよくわかる。
究極的なスキルとか知見を身に付けた人の方がよっぽど重要。

これって映画の世界もきっと同じだよね。
チャップリンみたいに脚本から主演から監督から音楽から何でもできちゃうのがすごいと思われがちだけど、やっぱそれぞれのプロが全力を発揮した方がおもしろいものに化けそう。なまじ監督がぜんぶできちゃうと、監督自身の想定レベルを超える何かがでてきにくかったりするんじゃない?

 

・感情より理性を優先させている。いわゆる「不確定要素が多すぎる」

映画とかすべてのフィクションって、こう盛り上がりどころがあるじゃないですか。その原動力になってるのってたいてい「感情」なんですよね。

恋愛とか勝利とか夢とか成功とか、その辺の生々しい感情が人物を動かしてるのが一般的でしょ。そこに共感が生まれて感情を揺さぶられて持ってかれるわけ。

でも、『シン・ゴジラ』の中核にあるのはこうした感情論はほとんどないんですよ。いわゆる熱さがない。もちろん、各人物のバックグラウンドや想いはピックアップしてないだけであるのはわかるよ。でもそこをあえて伏せて、官僚としてそれぞれの責務を淡々とこなしつつ最善を目指していこうっていうクールな感じが超シビレた。
劇中のセリフであったんだけど「不確定要素が多すぎる」ていうのは、感情論の行動結果を予期しての見解なんですよね。まあその不確定要素(いわばギャンブル性があるからこそ、成功した時の盛り上がりがあるわけだけど)を排除することでできる限り成功率を高めようとする姿が素晴らしい。例えて言うなら、新人社会人が精神論で「燃えて燃えて頑張りまくって」成功するのがドラマになるけど、今回はそうじゃない。むしろその上司が新人社会人に「燃えて燃えて頑張りまくって」失敗するのを避けるために、「冷静に冷静に合理的判断に徹して」仕事を進めるみたいな。かえってよくわからんか。

・絶望/非日常との向き合い方をシミュレーション

 

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ぶっちゃけ怖かったです。最初のゴジラ。蒲田だっけ?あれに来たやつ。なに、ラブカっつーの?この画像のやつなんだけど。めっちゃ怖い。クソでかいこんなやつに足生えてズンズン迫ってきたらもう絶望っきゃない。そもそもでっかいもの恐怖症なのに。でもフィクションにせよ夢にせよ、こういう怖いものを知ってるのと知らないとでは全然ちがう。だからなるべくこういう怖いものは耐性をつけといた方が良い。

同じく、テロとか地震とかで東京が壊滅状態にある危機とかも、自分の中でちゃんと想像(シミュレーション)することにも価値がある。非日常でパニクっちゃうともうおしまいだから、ちゃんと見とこう。

 

・矢口(長谷川博己)と泉(松尾諭)はなんか既視感あるなー、と思ってたら『デート』

 

 

『シン・ゴジラ』の作品とはまったく関係ないとこで、知識とか経験がリンクするってのもおもしろい。そういう意味でも、いろんなことを知っておくって人生が豊かになるっぽい。

 

・官僚/政治家になりたいと思ったらもうムリ

官僚かっけーなー、今から目指そうかなーと一瞬思ったんだけど

公務員試験には年齢制限があるらしい。。。そりゃまあムリや。現実に戻してくれてありがたい。

 

・人脈って大事

人脈って言葉はあんま好きじゃないんだけど、知り合いが各方面にいるってことはいいね。まあ、人として相性の良し悪しとかポリシー的な相違とかはもちろんあるだろうけど、いざという時に頼れる人は多いに越したことはない。根回しとか大人の作戦みたいなものじゃなくて、単純に同じ仕事を一生懸命頑張る仲間って考えたら大事and大事だしね。友達いない私にとっては遠いな。

 

・だれやー!

エンドロールで出演者がズラリofズラリで流れてくるんだけど、目で追うのが精一杯。
え、KREVAいたの?とか。え、もしかしてあの人?みたいに思い出してるヒマはないぐらい
すごいたくさんの人がいる。
で、がんばって目で追ってるとイヤでも目に付く珍名さんもちらほら。
例えば「ペロリ」。
あと「吉田ウーロン太」「ラブ守永
それから「森きゅーり」なる人のもいた。
だれやー!


終わりもゾクっとくるね。しっぽが骸の山なんだもん。
あ、これもネタバレになっちゃう??


とまあ勢い任せで殴り書きしてみました。
たぶん自分でも書いててよくわかんないぐらい、
興奮しちゃってるんでしょう。
いかんな、それこそ不確定要素が多すぎる。

とにかくすごいおもしろかったです。

9月につくったものまとめ

【仕事】



引き続きクラウドワークスで仕事してます。
みんなキラキラしててカッコいいよ!


水道業者の事例紹介マンガ(シナリオ制作)
イベント企画会社のコーポレートサイト記事企画
サイト記事の対話形式にして編集するシナリオ制作
イオンリテールのファッション関係POPコピー制作
この4件は9月からの継続です。


【公募】
●第4回 税をテーマとした川柳コンクール
●第6回 孫の日川柳コンテスト
●第2回 受験川柳
Hi-Six CMコピー大賞 2016(-919)"
●SUUMO 緑のある暮らしコンテスト
●第10回 「珍味川柳」募集

 

【創作・ネタ】

 

 



 

 

 

 

 

特に目新しいことはないですね!
クラウドワークスの仕事が始まってからはなかなか時間が取れないので
うまくバランス取りながらやっていきます!

ではまた!

うんちとうんこの定義とは -砂山のパラドックスとなぞらえて-

いきなりですが、砂山のパラドックスって知ってる?

簡単に言えば、の山があったとき、そこから数粒の砂を取り去っても砂山のままだが、そうやって粒を取り去っていったとき、最終的に一粒だけ残った状態でも「砂山」と言えるか、という問題である。

砂山のパラドックス - Wikipedia


要するに、
「定義が曖昧なものはどこからがそれで、どこからがそれじゃないかとか
ぶっちゃけまあ、よくわからんよね」
てな感じ。

きたない話で至極恐縮ですが、
これは「うんこ」と「うんち」にも言える。

あー、いや、ちょっと待って。私は別にそういう趣味はないから。

純粋に考えてね。ピュアっピュアなハートを持ってね。
じゃあ、改めて進めますよ。

「うんこ」と「うんち」はちがうじゃん。
うんこはほら、なんというか健康的というか男性的というか
硬そうじゃないですか。ギャグ要素を帯びながらもパワフルなイメージ。
たぶんすぐ笑う。
色で言ったら黒とか濃い茶。まあ、くさいですけど。

それに対して……
いや、すみません、あの、別に私は下ネタ大好きマンじゃないですから。
普段はすんごいクールキャラですからね。
仕事中とか基本喋りませんよ。
まあ、家でもそうなんですけど。友達いないから。えへん。

え、何の話かってそりゃうんちですよいいですか。
うんちはもっとこう軟らかいというか女性的・幼児的というか。
適度な恥じらいや奥ゆかしさ、かわいらすらまとってます。たぶんすぐ泣く。
色は薄茶ですよね。まあ、くさいですけど。

え、男女差別だって?
うんこが硬くて男性的で、うんちが軟らかくて女性的というのは
性差別だって?

いや、そもそもちょっと待ってください。
私うんち触った記憶ないんで果たして本当に硬いのか軟らかいのかは
疑念が残るのも真っ当なご意見なんですけど、
ここはいったんそのイメージで進めましょうよ。

で、どっちも定義なんてないわけです。
色がなになに以上だったらうんこ、軟らかさがなになに以上ならうんちとか。
わかんないすよ、実際は国立便学研究所みたいなのがガイドライン定めてる可能性も
0ではないよ。国立先端便学研究開発機構所長みたな人が長年の大便研究の末にノーベル賞ものの発見をしてるかもしれないよ。

でもそういうのはいったん、置いておこうじゃないか。

言語的に「うんこ」と「うんち」に定義というかちがいはないにも関わらず、
我々は「うんこ」と「うんち」の微妙な差異を感じ取れるんです。
本質的にはまったく同じなのに。

これってすごくないですか。

色はたいてい、教わるじゃないですか。
「これは赤だよ。これは青だよ」って。
でも大便について教わりますか?

「これはうんこだよ、これはうんちだよ」って。
おそらく幼少期にほとんどの人は
「これはうんちっていうんだよ」と教わったことでしょう。
でもうんこはどうですか。
「これはうんこっていうんだよ」と教わった記憶を持つ人など稀なのでは。

これは男子の一人称にも似ていますね。
小さい頃は、基本的に「ぼく」という子が多いのですが
いつしか(ほとんどは小学校で)「おれ」になるのです。
本質的にはまったく同じなのに!

うんことうんちは自我の人称あるいは認証構造にも関わっているのかもしれませんね。
その先にあるもの、もしくはないもの。
探求心に理由は必要ありません。
自我と排泄物というロミジュリ的な格差を超えて、
我々は無限に等しいカルマとイデアの幻想から
解放される日がくるのでしょうか。

http://images.uncyc.org/ja/6/6a/%E3%81%8F%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AD%E3%82%8D.jpg


その答えは、まさに「空想」の産物と言えることでしょう。

モテない先生もいるんですよ

塾講師をしていた時のことである。

生徒「せんせい!」
先生「なに?」
生徒「ガチャピンが恐竜って知ってた!?」
先生「うん」
生徒「さっすがー!」

 

はは、無邪気なことよ。

ケース1

【「(A)を知ってた?」という問いがなされた時点で、
その件が誤りでないとほぼ明確である場合】

聞かれた瞬間、仮に知らなくても、聞かれた瞬間に「知る」という動作が達成される。
コンマ数秒とはいえその後で返事をする時には「知っている」という過去完了形の状態なので、
堂々と知っている(「うん)」と言える。

 

ケース2
【仮に「ガチャピンが雪男だって知ってる?」と、その件が誤りである場合】

「うん」の後に「ちがうよー、しったかすんなよー」と言われても、こう返せば良い。
「あれ、そうだっけ?いや、先生が子供の頃はそういう噂もあったんだよ。
ていうかガチャピンって知ってるんだ。すげーな。
俺らの頃からずっと活躍してんだなー」
とか、生徒が知るはずのないジェネレーショントーク(ご当地ネタでも可)を展開させながら、
やんわり話の方向を変えて引きこむのだ。


つまり、知っていようが知っていまいが
どのみち「うん」ていえることを知らずに
「物知りな先生すごーい」と心象をアップさせるテクニックである。


まあ、こんなこと考えてりゃモテないわな!!

テレビ番組名で会話

A『遠くへ行きたい』……
B『あさイチ』から何言ってんの
A月曜から夜ふかし』しすぎた
B有休とって海外でも行ってきなよ。『水曜どうでしょう』?
Aそうだね、いいかも。じゃあ『英語であそぼ』
B『できるかな』
Aヒルナンデス!
Bカタカナで言うなよ。にほんごであそぼ
A『YOUは何しに日本へ?』
B始めから日本いるわ。『このまちだいすき』なんです
A『この差って何ですか?』
B知るか。今夜くらべてみました
Aじゃあ『おかあさんといっしょ』にやってみようね
B『ひとりでできるもん!』
A何よ急に怒っちゃって『怒り新党』だわ
Bうっさい!『ガキの使いやあらへんで』
Aあっそ!もう『嵐にしやがれ
Bごめんごめん『つくってあそぼ』
Aしょうがないなあ、この『くいしん坊!万才
B『いないいないばあっ!』 
A『スッキリ!!』

【読書感想文】もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本

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『もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本』

著 : ハラ ヒロシ/ハヤシ アキコ/平本 久美子/ヤマダ ジュンヤ
翔泳社



この本がディレクターだったら良いのに。

 

とても良かった。
とても良かった。

問題形式になっていまして、私の正答率は7割ぐらいかな。
いや謙虚に言って6割ぐらい。


デザイン関係の本はいくつか読んできたけど、
改めて勉強になる部分が多かったです。


中でもコピーの置き方っていうのは参考になりまくり。
・文字に背景色を置く。
・ベタ塗りと組み合わせる。
とか。

コピーの書き方を学ぶ機会はあっても、
コピーの置き方を学ぶ機会はなかったので超新鮮でした。


形としてはよくあるものだけど
「AとBを比較したらこうする方がいいよね」
て言われて納得できるものばかり。


ていうか、この表現は○○な理由でこういうテクニックにしたのかも、ていうのがわかる。
例 :
写真の切り抜き→背景に余計な物が写り込んでた
とか

で、不正解のBに関しても
「こうすればマシになるよ!」
ていう改善策もすごい完成度高いの。


ここまでは読んだ人が同じような感想持つだろうけど
コピーの人から言わせてもらうと本書のすごいところは

ボキャブラリーが豊富

という点。

「不安定」とか「迫力」とか「安っぽい」とか、
NG例の理由を示す表現が、とても語彙力豊富ですっごい説得力ある。
もうすっごい。すごいよりすごい、すっごい。
なるほど!てなりまくり。

 

なんちゃってアートディレクターは使い古された表現で
(「眠い」とか「刺さらない」とか否定語ばっかり)
ダメ出しの方向性がわからない時ってあるじゃないですか。
ディレクターの説明そのものが主観的でわかりにくく、
なるほど感がない。

 

「眠いのはわかった。じゃあ、はっきりさせたらいいの?」
「いやいや、なんかこうパッと目を引く感じにさ」
とかゴニョゴニョ言われるより
「迫力が足りないんだよ」
て指摘された方が腑に落ちやすいわけですよ。

 

これは仕事柄というか、感覚型と論理型でいう分類だったりするんですかね。
とにかく正確な言葉で描写できるというのは、
仕事を進める上でも人間関係においても
超重要だよね。

 

で、「どんなライターが書いたんだろう。さぞ力のある方なんだろうな……」と思って
巻末の著者紹介ページを見たら、全員がディレクター(グラフィックデザイナー)なわけ。


ディレクターは文章のプロじゃない、と勝手に思い込んでたけど
仕事ができる人は文章も上手なんですね。


やる気メラメラ出てくる1冊です。